音楽で、NEWSに初めて会った。
本当は、2年前に4人のNEWSとはじめましてをするはずだった。
つらかった大学受験を終えて、やっと来た春、NEWSに会うはずだった。
然して、未知の感染症。社会混乱。自粛、自粛。
わたしが初めて愛したアイドルグループは、2020年6月19日、大きくかたちを変えることになった。
わたしは、2021年のSTORYにも行くことが出来なかった。3人のNEWSを受け入れるのがつらかったから。
3人になってすぐ、ファンミーティングをしたり、4人時代の曲をリメイクしたり、ものすごい頻度で3人の曲をリリースしたり。あのころ心が荒んでいたわたしは、まるで4人時代を塗り替えようとしているみたいに思ってしまって、それがさみしかった。
3人の曲はどうしても聴くことが出来ず、4人時代の曲を永遠にリピートして胸が苦しくなる。毎日、4人で歌った最後のU R not aloneの録画を見て毎回泣く。そんな日々がつらくて仕方がなくて。
もしもライブに行けば3人のNEWSが目の前にいて、3人のNEWSが大好きな人がたくさんいて、3人で歌い、踊り、MCをするのだ。耐えられないと思ったから。
がんばって集めたCDやDVDを棚の奥にしまった。
TwitterのNEWS垢を消した。
YouTubeを見なくなった。
ある日、しばらくNEWSから離れていたわたしは、何を思ったかSTORYのセトリを検索した。あの日なんとなくで検索エンジンを開いたわたし、本当にありがとう。
すべて4人時代までの曲で構成されたセトリが目に飛び込んできた。2021年までにNEWSは3人での曲をいくつかリリースしている、にもかかわらず、それらがただのひとつも入っていないことにガンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
少し考えれば分かる事だった。3人が、4人時代を大切に思っていないわけがないじゃないか。
わたしの世界でいちばんのアイドル・増田貴久を信頼できていなかった自分に、恥ずかしさを感じた。
ファンミは、落ち込んでいるファンを励まし、NEWSとファンの密な関係性を保つため。リメイクや新曲リリースは、今まで9、8、6、4人で守ってきたNEWSという船を3人でさらに先へと進めるため。NEWSと、ファンのことを思っての活動だ。忘れるためのものじゃない。
だって、きっと忘れようと思っても忘れられるはずがない。最強の4人で過ごした時間を。
3人は、全ての過去を大切に、大切にしている。
わたしはたぶん、4人のNEWSとテゴマスをどうしても諦められなくて、(3人が、増田さんが彼との思い出を蔑ろにするはずがないのに、)3人にもどうか忘れてほしくなくて、勝手に勘違いして小さな子供みたいに拗ねていただけだった。
口に出さない愛もある。
NEWSがきっかけで繋がった友人に長文のLINEを送ったら、彼女らは「おかえり」と共にたくさんの優しい言葉をくれた。NEWSと同じくらい、NEWS担が好きだ。
わたしは再びNEWSの増田担を名乗るようになった。
結局、STORYのチケットは手に入らなくて、オーラスの配信だけ見た。愛しくてたまらないNEWSがいて、増田さんがいて、何百回も聴き込んだ歌を歌う。サプライズで、サプライズとは思えないほど綺麗に泣く3人と一緒に泣いた。画面の向こうには幸せな空間が広がっていた。
「わたしも次はここにいたい、NEWSに会いたい」
自分の心の声を明確に感じとって、わたしは"2021年"に進んだ。
そして2022年秋、NEWSにはじめましてをする日を迎えた。わたしの音楽初日、埼玉。好きになってもう3年経っているのに、はじめまして。変な気持ちだった。
やっぱり、画面の向こうにいる彼らと実際に会う彼らは違うのだろうか。心臓が破裂しそうだった。舞台で役を演じる増田さんを見たことはあるけれど、アイドルとしての彼には会ったことがなく。コヤシゲに関しては本当に初対面(?)。
増田さんの歌声がわたしの身体に響いた、
その瞬間涙があふれた。
3人がここに立つ意味、去っていった人への思い。色々なものが込み上げてきてたまらなくなった。
CDとは全く違う。
生で感じるNEWSの歌声は強く、強く。
驚いたのは、本当に初めて会うコヤシゲがテレビや雑誌、FC動画で見る彼らそのままだったこと。それくらい、NEWSがいつもファンの近くに来てくれているということだと思った。
この3年でわたしも掛け持ち先が増えたりしたけれど、NEWSのホーム感は圧倒的だった。「わたしの帰ってくる場所はここだ」と思わせてくれる空間。
2時間半の公演中、信じられないくらい泣いた。自分史上最強に可愛く仕上げていったメイクが全部取れてひどい顔になっていたと思う。
終演後、3人のNEWSが大好きになっていたし、わたしはとっくの昔に3人のNEWSを受け入れることが出来ていたんだと気づいた。
4人のNEWSを好きなままでも、テゴマスを忘れられないままでも、今のNEWSを愛していいんだと思わせてくれるライブだった。それはきっと、NEWS自身がそうだから。
幸せな音楽で満たされて、心もお腹もいっぱいになった。
NEWSが好きだと、わたしはNEWSファンだと、今は胸を張って言える。前まではそれが出来なかった。
もう揺るがない。NEWSのことが大好きだというこの気持ちをずっと持っていたい。
4人のときもこんな激重感情を抱いていて、だからこそ立ち直るのにすごく時間がかかってしまったのだけど。
アイドルとファンという関係性において絶対なんてどこにもない。そんなこと、痛いくらい知っている。
それでも今、NEWSというアイドルグループを愛さずにはいられない。